【訪問看護ミスト】水分にとろみをつける正しい方法と注意点
「水やお茶を飲むと、むせることが増えてきた」「飲み物にとろみをつけたほうがいいと言われたけれど、どうやって作ればいい?」「とろみは、濃ければ濃いほど安全なの?」
高齢になると飲み込む力が低下し水やお茶などのさらさらした飲み物でむせることがあります。
そのような場合に使われることがあるのが「とろみ調整食品(とろみ剤)」です。
今回は、水分にとろみをつける基本的な方法と、使用するときの注意点について分かりやすくご紹介します。

とろみをつけるのはなぜ?
とろみ調整食品は、飲み物や食べ物に加えて混ぜることで、とろみをつけるための食品です。とろみをつけることで飲み物が口の中でまとまりやすくなり、さらさらした水分よりもゆっくり喉へ流れるようになります。水やお茶などの飲み物でむせやすい方に対して飲み込みやすい状態に調整する方法の一つとして利用されています。
ただし、「とろみをつければ誰でも安全に飲める」というわけではありません。飲み込む力には個人差があるため、その方に合ったとろみの程度を選ぶことが大切です。
水分にとろみをつける基本的な方法
基本的には、とろみ調整食品を飲み物に加えて混ぜます。
① 飲み物を準備する
水、お茶、麦茶など、普段飲んでいる水分を用意します。
② とろみ調整食品を加える
ここで大切なのが商品のパッケージに記載されている使用量を確認することです。
とろみ調整食品は、商品によって必要な量や、とろみのつき方が異なります。「水100mLなら○g」というように使用量の目安が記載されていますので自己判断で量を変えるのではなく、まずは商品表示を確認しましょう。
③ しっかり混ぜる
とろみ調整食品を入れたら飲み物とよく混ぜます。混ぜ方や、とろみがつくまでの時間なども商品によって違うため使用している商品の説明に従いましょう。
④ とろみの状態を確認する
完成したら実際のとろみを確認します。とろみ調整食品には、メーカー間でとろみの状態を比較しやすくするための表示基準があります。
ただし、表示されている「薄い」「中間」「濃い」などの段階は飲み込む力に合わせて選ぶ必要があります。

「とろみは濃いほうが安全」は間違い?
ここは特に注意したいポイントです。「むせるから、できるだけ濃いとろみにしよう」と考えてしまうことがありますがとろみは濃ければよいというものではありません。とろみが強すぎると味が悪くなって飲むことを嫌がったり、全体の摂取量が少なくなったりすることがあるとされています。また、とろみ調整食品の種類によっては、べたつきが強くなり、かえって飲み込みにくくなる場合もあります。そのため、その方の状態に適したとろみの程度を選ぶことが重要です。
「いつも同じ量」で大丈夫?
とろみ調整食品を使用するときは、使用する商品・飲み物の種類・飲み物の量・必要なとろみの程度などによって、とろみのつき方が変わることがあります。
そのため「前はこのくらいだったから」と感覚だけで調整するのではなく使用している商品の表示を確認することが大切です。とろみ調整食品について、商品パッケージに添加量ととろみ状態の目安を表示する取り組みを行っています。
とろみをつける前に確認したいこと
「最近むせるようになったから、とりあえず今日から全部とろみをつけよう」と自己判断するのはおすすめできません。むせが増えた場合には、水分を飲むとむせる・食事中によく咳が出る・飲み込んだ後に声が濁る・食事や水分を摂る量が減ってきた・食事に時間がかかるようになった・体重が減ってきたなど、普段と違う変化がないか確認しましょう。
飲み込みに問題がある、またはその可能性がある場合は、医療機関などの専門家へ相談することが勧められています。
とろみをつける目的は「水分をしっかり摂ること」
高齢者にとって、水分補給は大切です。
しかし、飲み込みにくさがある方の場合、「むせるのが怖い」➡「水分を飲まなくなる」➡「水分摂取量が減る」ということにつながる場合があります。
だからこそ、その人が無理なく、安全に水分を摂れる方法を考えることが大切です。
とろみは、そのための一つの方法です。ただし、とろみの濃さや飲み込み方は一人ひとり異なります。「どのくらいのとろみが合っているのか分からない」という場合は、医師、歯科医師、看護師、言語聴覚士など、飲み込みについて相談できる専門職に確認しましょう。
まとめ
水やお茶などの水分でむせる場合、とろみ調整食品を使用して飲み物にとろみをつける方法があります。
ポイントは、
① 商品の使用量を確認する
② 飲み物としっかり混ぜる
③ とろみの状態を確認する
④ 濃ければよいとは考えない
⑤ その人に合ったとろみの程度を専門家と確認する ということです。
「むせるようになった」「水分を飲まなくなった」などの変化がある場合は、単にとろみをつけるだけでなく、なぜ飲み込みにくくなっているのかを確認することも大切です。ご本人に合った方法で、無理なく水分を摂れる環境を整えていきましょう。
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2026年10月14日 更新

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